事業内容

水琴窟とは

 水琴窟(すいきんくつ)とは、縁先に置かれた手水鉢や庭先の蹲(つくばい)から溢れた水、またそれらで手を清めた後の水を利用して、庭園に微妙な音を響かせる日本独自の風流な仕掛けです。微妙な音とは少し金属的な音で、琴の音に似ていることから水琴窟と呼ばれ、庭師が瓶(かめ)に落ちる水滴の音を聴き、その響きが良いことに気づいたことから産まれています。
 水琴窟が造り始められたのは江戸中期とされています。京都や江戸の裕福な商人の間で庭を造ることが流行しました。それも座敷に調和した贅を尽くした庭であったようです。江戸中期は、茶道が庶民の生活の中に広まってきた時期で、一部の商家では客を丁重にもてなすため、庭の片隅に競って茶室を造らせ茶会を開いています。お客は茶室の入口で蹲(つくばい)の水で手を清めますが、当然、むかしは下水など無く足元は水浸しになってしまうので、地中に埋め込んだ瓶に一時的にその水を溜めました。この時、瓶に落ちる水滴の響きが良いことに気づいた庭師。瓶の形を変え、寸法を変え、周りの土や砂利を変えることで、音が微妙に変化することも知ることになります。庭師の遊び心から生まれた水琴窟といえるでしょう。なお、水琴窟は江戸初期に小堀遠州が考案した蹲から溢れた水を処理する「洞水門」が起源という説もあります。

水琴窟の仕組み

 水琴窟は、底に小さな穴を開けた瓶を伏せて地中に埋め込みます。その上に手水鉢を置きます。上から水を流すと、下の石を敷き詰めた部分から地下へ流れ込みます。何もしない状態でも水琴窟へは、筧(かけい)という竹筒から少しづつ水が流れ続けます。地中に埋め込まれた瓶(かめ)の中に水滴となって落ちて、瓶底に溜まった水面に当たった時の音が瓶の内部で共鳴することで特徴的な琴に似た澄んだ音が生まれます。琴の音色のように聞こえる庭園の音響装置です。
 水琴窟の音色は、瓶の大きさや焼き具合が最も重要ですが、滴の大きさや瓶の中の水の溜り具合。水面の状態や滴の落ちる場所、そして、湿気や気候によっても変化します。また、流れ落ちる水の量が多いと響きが絡み合い、複雑な音の変化を楽しめます。

 手を清めた後の水を利用するという、わずかなものも無駄にしない日本人らしい装置です。瓶の中で反響するその音色が琴に似ていることから、江戸時代の粋人達や庭師が「水琴窟」と名付けたようですが、いつ誰が名付けたか全くわかりません。
 水琴窟造りは、庭園に密かに音を響かせる庭師の楽しみとなったことから秘伝になったといわれています。風や水の音を楽しむという日本の文化的背景もあり、水琴窟は後世の庭師に高度な造園技法として伝承され、明治から大正、昭和初期まで全国各地で造らましたが、戦争の激化と共に造る人も無くなり、戦後は全く忘れられた存在となってしまいました。
  微妙な澄んだ音を聴いていると心安らぐものがある事や、匠の技を後世に伝える事からも、近年見直されています。

水琴窟セットシステム 琴雅楽(ことがらく)

水の音を楽しむという本物の日本文化、匠の技を身近に感じていただければ…。水琴窟をもっと身近なものとする為にセット商品としました。 琴雅楽は、瓶の埋設から蹲設置、景観石材配置まで一貫して行う、材工共責任施工弊社オリジナル商材です。

■施工の流れ
掘削工事 → 瓶下地調整工事 → 井戸枠設置 → 瓶埋設 → 瓶固定石埋め込み → 景観石材・蹲設置 → 仕上げ玉砂利敷きこみ

名称
仕様・寸法・数量
下地材
砕石(100)+バサモルタル(50)
常滑焼 寸法:径500×H600 重量:22kg 1台
井戸枠
コンクリート製 寸法:径1,000×H700/1台
瓶周り固定材
砕石30-0 0.2立方メートル
瓶上仕上げ材
緑花石(5分)
桜御影石寸法:穴直径約150×W350×H200程度 1個
景観石材
浅間溶岩石 大(直径200程度):5個 小(直径100程度):5個